こんにちは。ヌマッチです。
昨日、日本の株式サイト「株探」にこんな記事が出ていました。
株式の世界でも「電気自動車関連」が人気テーマランキングに3位となっているという記事です。
今、まさに投開票中のアメリカ大統領選挙ですが、環境政策に前向きとされている民主党のバイデン候補が当初優勢と伝わっていた事から注目が集まっているとの事。
稀に見る大接戦のようですが、果たして、次期大統領はどっちになるのか世界中が注目していますね。
さて、この株探の記事の中には、ちょうど昨日のブログでも触れさせて頂きましたように、
米国カリフォルニア州や中国が2035年をメドにガソリン車の販売禁止の方針を打ち出した事により、EV普及に向けて益々追い風が吹き、EV関連株にも今後期待がかかってくるというものです。
また、電気自動車だけではなく、それを構成する部材、モーター、製造装置、充電インフラ整備や、エネルギー供給源となる太陽光や風力発電などの再生可能エネルギー関連にも今後、益々関心が高くなってくるという事です。
欧州EV市場において日本企業の勝算はあるのか?
【結論】自動車メーカーよりも部品、製造装置メーカーの方が現時点明るい
下記の表は、UKの調査会社が発表している直近9月の欧州27カ国における車種別売り上げランキングです。
一番右の欄がEVの売り上げランキングですが、
テスラを筆頭に、Renault、VW、Hyundai、Kiaと来て、ようやく6位に日産リーフが喰い込む形になっています。
欧州は今まさにコロナの第2波による2回目のロックダウンの真っ只中であり、ここに来て、また自動車販売店がクローズするなど本当に自動車メーカー(特にVWのように新型EVを発表したばかりのメーカーなどは)にとって厳しい環境を強いられています。
しかし、テスラは違います!!
全てネットで完結し納車まで完了させるプラットフォームを彼らは既にもっており、ディーラーを極力持たない、ある意味これまでの常識を覆す戦略が功を奏しているのです。(本当にやる事なす事が革新的ですね!!)
今年の3-4月のように、他社は販売台数を下げる一方で、テスラは堅調な推移を辿るのではと推測します。
従って、少なくても現状においては、欧州EV市場における日本企業の勝算という意味では、
自動車メーカーよりも部品やその部品を作る製造装置、もしくはインフラ関係の企業に光があるのではと思います。
つい2-3日前に、EV駆動モーターのトップメーカー「日本電産」がセルビアに大規模工場を新設して、欧州EV市場に本格参入するというニュースは記憶に新しいと思います。
EVを乗る上で一番ネックになってくるのが「航続距離」ですが、
その航続距離の延ばす上で今後益々注目されてくる次世代電池「全個体電池」です。
この全個体電池の研究開発レースでは日本企業が先行していますし、また、上述の日本電産のように優れたEVトラクションシステム技術を持つ有力企業があります。
更に、センサー技術や、EV用の転がり抵抗のよいタイヤ技術、急速充電器技術など様々なEV関連分野で強味を持つ企業も少なくありません。
このようなサプライヤーが今後、どんどん欧州市場に参入して来る事が予想されます。
EVの普及率と地域所得レベルは比例する
昨日、欧州自動車工業会(ACEA)は、このようなデータを発表しました。
この図は、2019年にどこの国でEVとPHEVが、何%程度売れたかどうかの図です。
(※ ちなみに、欧州全体での2019年販売シェアは、EV1.9%、PHEV1.1%で合計3.0%です)
これを見て気付くことは、以下だと思います。
- 1%にも達しない国にイタリアが含まれている
- 0.5%未満の国が7カ国存在する(バルト3国、ポーランド、チェコ、スロバキア、ギリシャ)
- 総じて、東欧諸国のEV普及率が低い
そして、この国々の<span class=”bold-red”>GDPを示した図が下記の図になります。
当然と言えば当然かもしれませんが、、
GDPの低い、いわゆる所得レベルが西欧に比べて低い東欧は特にEV普及率が芳しくない!!
という事になります。
昨日のブログでもEV充電設備の配備状況に大きな地域差があるとレポート致しましたが、
EV購入という観点からしても、大きなハードルがあるという事になります。
ここ欧州では、よく「affordability」(手ごろ感、値ごろ感)という言葉が飛び交います。
生活の足として、日常的に使うクルマ。
急激なEV化の結果、車両価格が下がらず、特にこのようなGDPの低い国民が、移動の足を奪われてしまう事はあってはならないと思います。
クルマの使い易さ以上に、もっと重要なハードルがここにあるような気がします。
それではこの辺で。
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