【特報/欧州】 EV販売シェアが16%以上に急増した”裏の理由”を解説

Climate neutrality

欧州の2020年電動車販売シェア

欧州における2020年のいわゆる100%電気で走るEVとプラグインハイブリッド車PHEVの販売シェアは、

  • 2020年(年間通期):10.5% (前年の3%から3.5倍)
  • 2020年(第4四半期):16.5%(前年の4.2%から4倍)

となり、販売台数は100万台を超えました。

詳しくは、この記事をご覧ください。(参考記事:2021年2月5日

まさに日本人の感覚からして驚くべき数字ですね。

日本もEVに対する百万円レベルの政府補助金があっても、ここまでの伸びというか、1%強しかいまだにシェアが伸びず全くと言っていいほど、普及が進まない現状があります。

やはり、
日本にはいわゆるトヨタプリウスのようなハイブリッド車が現状主流であるため、欧州とは異なる状況、文化的違いももちろんあると思います。

ここまで電動車のシェアが伸びた要因とは?

ただ、なぜ欧州でここまで昨年伸びたのか、その要因を列挙するとこのようなものがあります。

急増の主な要因

  • EV、PHEVに対するコロナ復興目的の補助金、税制インセンティブ(特にカンパニーカー)
  • 自動車メーカー各社からの幅広いEVラインナップ増
  • 電動車の使い勝手改善(航続距離の延伸、EU各国での充電インフラ拡充)
  • 消費者の環境志向の定着
  • コロナ禍で短距離移動に適するEV志向が増加

例えば、下記のグラフはイタリアのEV/PHEVの月次販売実績です。

【資料】ICCTレポートより引用

3月にコロナ補助金を発表し、翌月4月には一気に電動車の販売が急増しましたが、
ロックダウンの影響で販売店が営業できず、その後は低迷するものの、10月以降、年末にかけて駆け込み需要が起き販売が伸びました。

欧州全体の年間通期で新車販売がマイナス25%になる中、ガソリン、ディーゼル車の販売は大幅に落ち、
コロナ補助金効果や一定期間でリース契約期間の満了日を迎えるカンパニーカーの買い替えで電動車が選ばれるケースが多く、
相対的にシェアを伸ばした事も事実です。

また、
欧州では既にEVのラインナップが150を超えていると言われています。

日本人にはあまり想像できないですが、聞いた事もないようなEVメーカーの車両が走っているのです。

コロナをきっかけ想像以上に欧州市民の環境志向は更に高まり、加えて、クルマで遠くに行けない状況に置かれた市民は、短距離移動に適するEVを好む傾向も納得できると思います。

EV急増の“知られざる裏の理由”とは?

果たして、EV急増の要因というのは、本当にこれだけでしょうか?

これまで説明した内容はあくまでも表向きの内容であって、あまり報道されていませんが、実は裏ではこのような事も行われているのです。

大前提として、
2020年は各自動車メーカーとも95gCO2規制という大変厳しい基準を達成する必要がありました。

達成できない場合は、数億円、数十億円レベルの罰金を支払う必要があったのです。

当然、走行時のCO2がゼロのEVを売れば、他のクルマが100g、120gのCO2を出したとしても平均すれば95gを達成できるため、なんとしてもEVを売る必要があったのです。

各社はあの手この手を駆使し、例えば、
CO2排出がゼロのテスラから、余剰CO2排出権を購入して規制を満足するような手法を取ったメーカーもありました。
これをプーリングといいます。

ここまでは、法律の制度で定められた枠内での取り組みなのでいいのすが、、

実はこんな事もあるのです。

  • 1、自社のEVを大量自社登録(カンパニーカー登録など)
  • 2、自社の中国合弁企業とプーリングを結び、中国企業のEVを大量に欧州に輸入し自社登録
  • 3、自社の系列レンタカー/カーシェアリング会社に大量のEVを販売し登録

1、については、
日本でも販売台数第1位を取るために、年度末などによく聞く話ですが、
販売店などで買取ってもらって、その後新古車販売するケースと似ています。

2、はまだ欧州で本格的にビジネスをしていないような中国合弁企業とプーリングを結び、この企業のEVを数千台規模で大量に船で持ってくるやり方です。

3、はこのサイトでも紹介されているように、EVのカーシェアリングサービスとして系列会社に販売し登録するやり方です。

あえてきつい言葉で言えば、
特に1、2、については、
罰金を逃れるための、あくまでも登録上の数字だけであって、実際にはこれらのEVが世の中で動いている訳ではなく、どこかのモータープールで在庫として、置かれていたらどうでしょうか、、、?

本来、CO2排出を抑制するためのEVですが、これらクルマが動いていないとなると、実際の世の中のCO2は減っていない事になるのです。

この事実が明るみになるのは、時間の問題だと思いますが、
規制の理念とそれをうまく搔い潜ろうとするメーカーのいたちごっこにしか見えませんね。

早いもので2021年も第1四半期が終わろうとしています。
自動車メーカーは引き続き、CO2規制の重圧にさらされています。
今年はどのような手段に出てくるのか、注視すべき点は少なくないと思います。

今日も最後までご覧下さいましてありがとうございました。

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