欧州自動車工業会(ACEA)は3月17日、
2月度の欧州新車販売台数統計を発表しました。
コロナ前水準への回復は引き続き難航
欧州連合(EU)26カ国(マルタは除外)の
2月度販売台数は、
前年比-19.3%と引き続き、2割近い落ち込みを継続。
(1-2月の2か月間では-21.7%)
【資料】:ACEA発表資料より
昨年2020年は、コロナ補助金の効果により、
年後半にかけて徐々に回復したものの、
前年を上回ったのは、わずか9月だけ。
10月以降、再び5か月連続の前年割れとなっているのです。
ちなみに、2020年はトータルで、
前年比-25%でした。
(2021年1月19日記事参照)
中でも、今年2021年に入り、
1月は-24%と大きく落ち込み、
主な要因としては、
1、コロナ再拡大とロックダウン
2、それに伴う、販売店の営業制限
3、コロナ補助金、税優遇の期限切れ
と言われています。
国別に見ると、
スペイン-38%を筆頭に、
フランス-21%、ドイツ-19%、イタリア-12%
となっており、どこも前年割れを継続。
※EU26カ国に含まれない英国も-36%
欧州主要4カ国におけるコロナの状況
欧州主要4カ国、
ドイツ、フランス、イタリア、スペインの
コロナ感染者推移は以下の通りです。
スペインこそ収まってきたとは言え、
どこも最近はまた増加傾向にあり、
販売店の営業など、通常に戻るまでには
まだかなりの時間がかかりそうです。
最近では、自動車メーカー各社も
販売店にわざわざ行くことなく、
オンラインで注文できる仕組みを
次々に導入しているのが
欧州でのトレンドです。
テスラはいち早く
このシステムでやっていますが、
やっと、浸透してきた感じですね。
この感染状況を見ると、
3月も引き続き厳しい状況が予想でき、
昨年3月がコロナの影響を受けた
最初の月でもある事から、
おそらく、前年を上回ってくると思いますが、
果たしてどれだけの数字が出てくるのか、
注目ですね。
コロナ補助金、税制優遇の期限切れ
欧州では、昨年春先以降、
コロナ補助金の効果もあって、
新車販売台数が徐々に回復しました。
中でも、
年後半(特に第4四半期)の駆け込み需要は
大きく、EV/PHEVの販売が急伸し、
年間販売シェアで10%を超えてきました。
(2021年2月5日参考記事)
この急伸を支えたコロナ補助金。
例えば、ドイツではEV購入に対して最大9000€。
日本円で約110万円ほどの補助金が出るのです。
各国もこの種の補助金制度を出しつつ、
需要を喚起していましが、
一部の国では、昨年末でこの制度を
終了している国もあるのです。
そうなると当然、EV/PHEVの販売も
やや鈍化してくるという事なんです。
全メーカーの中で前年比プラスは唯一“ボルボ”だけ!!
今回の発表をメーカー別で注意深く見ると、
1-2月の2か月間で、例えば、
VW:-23%、Renault:-25%のように
全てのメーカーが大幅に前年割れを
記録する中、
唯一、プラスを叩き出しているのが
そう、、、
“ボルボ”なんです!!
【資料】ACEA発表資料より
彼らは、2030年には全ての新車販売を
EVにシフトすると発表したばかり。
現状は、
PHEVを主軸にビジネスをしていますが、
足元の販売実績は
PHEVの販売が好調だと言えるのです。
しかし、一社だけ、プラスってすごいですね。
それから、
販売台数こそ前年割れしましたが、
他の日本メーカーは軒並み大幅な落ち込みを
記録する中、
トヨタだけはしっかり、シェアを伸ばしている
ところもさすがトヨタというところですね。
まとめ
- 欧州新車販売は、今年に入って、2割ペースの前年割れ水準で推移。
- コロナ第3波の影響で今後もこの傾向はしばらく続くと予想。
- 昨年大打撃を喰らった3月の販売台数をどこまで上回れるのか今後注目。
- ボルボが唯一、直近2か月の販売台数で前年を上回りEV/PHEVの販売が堅調。
本日も最後までご覧頂き有難うございました。
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