ドイツ自動車大手サプライヤーのボッシュは、
5/3、VWおよび石油大手のシェルと共同で
再生可能原料由来のナフサやエタノールを使用した
バイオガソリン燃料を33%混合した
「Blue Gasoline fuel」を開発したとのリリースを
発表致しました。
▼ボッシュリリースはこちら。
先日、欧州の環境NGOであるT&Eが
e-fuelに対し、経済面/環境面で自動車への
導入は成り立たないレポートを公表したところ
ですが(参照記事はこちら)、
今回は、実用化に向けたドイツの取り組みとして
非常に重要な内容と理解していますので、
その中身について解説したいと思います。
e-fuelの基本的な部分を知りたい方は、
是非こちらの記事をご覧ください。
今回発表の主な内容は?
- このBlue Gasolineは、再生可能原料由来のナフサやエタノールを使用したバイオガソリン燃料を33%混合した燃料で、従来のガソリン燃料に比べ、CO2排出量を20%以上削減可能(WtWベース)。
- 年内にはドイツの一部ガソリンスタンドでも販売を開始予定(先ずは、ボッシュの工場付属GSにて使用)
- 乗用車のみならず、電動車が困難な航空、船舶、大型トラック・バスや、既存の保有車両(使用過程車)への導入を通じてCO2削減を見込む。
- 既存のsuper 95 E10ガソリンを使用できるガソリン車であれば、新車/中古車のいずれも使用可能。
- 欧州規格「EN 228/E10」に準拠しており、長期の保管安定性に優れている。
今回のリリースの総評と今後
もともと、合成燃料、次世代バイオ燃料やe-fuelの開発は、
ドイツのアウディー、Porscheを筆頭に、
今回のようにSupplierも含めて、ドイツ勢が勢力的に活動を
実施しておりました。
今回の発表は、やはり、既存の内燃機関車両をそのまま
活用しつつ、低炭素化を図る重要な候補として、
ドイツ勢が本気で合成燃料に取り組んでいる事が分かります。
重要な点は、既存ガソリンに約3割混合して、
WtWベースでCO2 2割削減を達成するというもので、
100%のRenewable燃料ではないものの、
脱炭素化への移行技術としてこのようなものを
置いているという事です。
以前、このブログでも紹介した通り、(こちら)
2021年から自動車CO2規制の本格スタートにより、
自動車各社は、CO2目標達成に
苦慮する事が予想されています。
中でもVWは、第1四半期の実績からワーストの
10g未達という状況なのです。
従って、VWとしては、
これら合成燃料を内燃機関車両に導入する事で、
WtWベースでのCO2削減を目論んでいる
という事になります。
果たして、6~7月に発表が予定されている、
自動車CO2規制の見直し案で、このWtWベースの
CO2計算手法に切り替わるのか、
非常に注目に値すると思います。
また、Updateがあり次第ご報告したいと思います。
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