【最新】欧州自動車CO2規制の最新状況(2021年第1四半期)

Electrification

2020年から段階的にスタートした”新”欧州自動車CO2規制。
いわゆる95g規制ですが、いよいよ本格スタートとなる
2021年の最新状況について、
第1四半期のデータがレポートされましたので、
今回はその内容を解説しつつ、欧州でのトレンドを考察して
みたいと思います。

5/6、環境NGOのICCTは、直近21年第1四半期における
新車販売台数および各社のCO2規制達成状況に関わる
レポートを発表しました。(こちら

欧州新車販売状況(21年第1四半期)

新車登録台数

  • 3月単月では、前年比6割増も21年第1四半期では、概ね前年同期比水準(+1%)で推移
  • (※ちなみにコロナ前水準の19年Q1 と比較するとまだまだ-25%レベル)

BEV/PHEVの販売シェア

  • 3月、BEVのシェアを一気に上げてきたのが、
    FCA-Tesla-Honda連合(25%)。次にHyundai(14%)が続く
  • Daimler(22%)を筆頭に、BMW(18%)、Ford-Volvo連合(17%)のPHEV比率が目立つ

ちなみに、21年3月(単月)の
BEV/PHEVの車種別販売ランキングは、
以下の通りです。

台数ベースでは、テスラのModel 3が圧倒的ですが、
Hyundai、Renault、そしてVW(IDシリーズ)の
台頭が目立ってきましたね。

各社のCO2達成状況(21年第1四半期)

下記グラフが、各社の直近の状況です。

結論は、

  • 全社平均で4g未達のところ、VWがワーストの10g未達の状況
  • 21年Q1時点で可達しているのは、BMW、Toyota-Mazda、FCA-Tesla-Hondaの3社

以前、2020年通期のCO2規制達成状況について、
当ブログでもレポート致しましたが(こちら)、

2020年の達成について、
当初予想では、多くの自動車メーカーが
CO2目標値の未達により巨額の罰金が発生すると
されていたところ、
ほとんどのメーカーが達成もしくは、
わずかな未達(VWでも0.5g程度)で済む結果となりました。

これは、この記事でも詳しく解説していますが、
いわゆる、各社でCO2計算をする際に利用できる、
ボーナス特典(Compliance Credits)の恩恵から来ているもので、
上記グラフから分かるように、VWは、2020年に
この特典を使い切っているため、
2021年のCompliance Creditsがゼロとなっているため
未達幅が最大級(10g)となっているのです。

今後、電気自動車(BEV)の投入・販売に注力し、何とか21年末には
基準達成に向けて動いてくるものと推測できます。

国別の電動車比率(BEV/PHEV)について(21年第1四半期)

下記グラフが、直近第1四半期の国別による、
電動車(BEV/PHEV)比率となります。

結論は、

  • ノルウェー(82%うち、2/3がBEV)を筆頭に、アイスランド(55%)、スウェーデン(36%)、フィンランド(26%)と北欧勢が続く。
  • 欧州5大市場では、ドイツがもっとも高く(22%)、フランス(14%)、UK(13%)が平均並み。イタリア(7%)、スペイン(6%)が低い状況。

注目すべきは、欧州最大市場のドイツも、
直近では、既に電動車比率を2割以上
に上げて
きているという事です。

本日もご覧頂きましてありがとうございました。

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