【重要】次世代バイオ燃料が脱ガソリン議論に待ったをかけるのか!!? (ミドリムシ編)

Bio fuel

なぜ今、カーボンニュートラル燃料が注目されているのか?

今や耳にしない日はないほど
毎日のようにマスコミで報道されている、
脱炭素化、
再生可能エネルギー、
カーボンニュートラル
というワード。

自動車の世界では、
とりわけガソリン車からEVにシフトするという
いわゆる、
脱ガソリン車、電動化の話題が事欠きません。

自動車メーカーや各国政府は、
我先にと、2030年までに完全EV化を達成、
2030年以降は、ガソリン車の新車販売禁止、
などなど、、、
次々に声明を発表している状況です。

しかしです。

急激な自動車の電動化は、
どのような事が考えられるでしょうか?

最も懸念されているのは“雇用”への影響

数万~最大10万点の部品から
構成されていると言われる現在のガソリン車。

EV化になる事で、その部品点数は、
約半分、いやそれ以下になると言われています。

そうなると、、、
当然、巨大なピラミッド構造で成り立っている、
自動車サプライチェーンで働く、
部品メーカーをはじめとする
多くの企業、労働者への悪影響が
先ずは考えられるのです。
(詳しくは→こちらを参照)

つまり、
理想を言えば、雇用をうまく守りつつ、
EV化へ徐々に移行することが理想なのです。

そんな中、注目されるのが、
“カーボンニュートラル燃料”。

カーボンニュートラル燃料の強みは、
なんといっても、
既存のガソリン車にそのまま応用できること。
ゆえに、既存の自動車サプライチェーンにおける雇用を
うまく維持できること。
既存のガソリンスタンド、インフラを活用できることなのです。

今回、日本の企業である“ユーグレナ”が、
自社で開発した次世代バイオ燃料を

というニュースが話題になっていますので
今回はここを解説したいと思います。

ちなみに、
水素とCO2を合成して作る
もう一つのカーボンニュートラル燃料
“e-fuel”の記事は→こちら

ユーグレナ次世代バイオ燃料の特徴とは?

先ず、この燃料自体が
どのようなものなのか解説します。

シンプルに言うと、
驚異的な繁殖能力を持つ
微細生物「ミドリムシ」から出る油脂と、
使用済み食用油を合成
して作った燃料がこの、
ユーグレナ次世代バイオ燃料ということです。

なぜカーボンニュートラルかというと、
ミドリムシは、繁殖・成長過程での
光合成によってCO2を吸収するため、
燃料使用時にはCO2を排出するが、
トータルでみればプラスマイナスゼロ
ということなのです。

加えて、
既存の内燃機関エンジン
(ガソリン、ディーゼル、ジェット航空機)に
そのまま応用できるので、製造メーカーにとって、
大きな設備投資が不要で、
かつ、既存のガソリンスタンド設備を利用して
消費者は給油が可能なため利点は大きいと言えます。

カーボンニュートラル燃料の普及に欠かせないLCA(ライフサイクルアセスメント)手法の導入

現在、2050年までのカーボンニュートラル達成が
世界の標準目標となっています。

自動車においては、
何も、自動車の走行中にCO2を
出さなければ良いというものではありません。

確かに、EVにすれば、
走行時のCO2はゼロです。

ただし、
EVを動かすためのバッテリーを製造するのに
かなりの電力を使用し、
かつ、バッテリーに充電する電気も、
太陽光や風力発電など
再生可能エネルギーからの電力でない限り、
発電段階で多くのCO2を排出してしまうことになります。

再生可能エネルギーのインフラ整備は、
今後10年、20年の間で増えていくことは確実です。

政府もそのための予算を確保し、
国策として取り組んでいくことが
公約として示されています。

しかしです。
インフラ整備、構築というのは、
かなりの時間とコストを要します。

政府は、2050年のみならず、
2030年という9年後の目標も示す必要があり、
そのため、脱炭素・低炭素につながる
即効性のある手段をうまく取り込む必要がある
のです。

そのため、
ハード面でのドラスティックな構造変革を伴わない、
カーボンニュートラル燃料の活用が非常に中期目線では
重要
になってきており、
ここにビジネスチャンスを伺う企業も少なくないのです。

上述の通り、
ユーグレナの次世代バイオ燃料は、
走行中にCO2がどうしても出てしまいますが、
ユーグレナの成長過程での光合成によって
カーボンニュートラルを達成している。

つまり、カーボンニュートラル燃料という位置づけで、
燃料精製過程から自動車走行時のCO2は
ネットゼロという事になります。

ここで重要なのが、
製品の原料・素材の調達から廃棄に至るまでのCO2を
トータルで計算・評価するという
LCA(ライフサイクルアセスメント)の考え方
になるのです。

走行時のCO2ゼロのEVだとしても、
そのバッテリー製造、充電時の電力を
化石燃料由来の電力、
例えば、石炭などを燃やして発電する
火力発電による電力でまかなっている場合は、
走行中のCO2が排出している事と同義なのです。

2030年目標に対して、
このLCA手法の導入が欠かせないと言われている中、
欧州では、2023年までにLCA手法導入の可能性を
検討評価し、その結果を公表する事になっています。

中でも、航空機へのバイオ燃料使用は
かなり検討が進んでいる状況
です。

日本も同様、
LCA手法の早期確立が急務になっており、
今後、評価手法確立に向けた
グローバルレベルの議論が
活発化してくる事は間違いない
です。

世間は、
電動化、EV化のニュースで溢れていますが、
このような日本の優良企業の技術が、
既存ガソリン車の救世主、
日本の脱炭素目標の救世主に
なってくる日も近いかもしれません。

今日も最後までご覧頂き有難うございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました