【重要】2050年カーボンニュートラルは達成できない!?

Climate neutrality

こんにちは。ヌマッチです。

昨日、日経新聞にこのような記事が掲載されておりました。

[FT]米大統領選、気候変動やESGの未来問う - 日本経済新聞
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2050年カーボンニュートラルに向けて

アメリカ大統領選は、ほぼバイデン氏優勢という事で、株式市場も大きく色々と動いていますね。

当初、トランプ氏が続投すれば、株価も堅調に上昇トレンドを歩み、バイデン氏当選の場合は暴落するのではとの憶測がありましたが、
市場はバイデン氏であってもそこまで影響なし、むしろ、新たな世界の到来、新たな資金の流れに期待して、株価は連日の急騰を見せています。
とは言っても、トランプ氏の法廷闘争入りの動きなど、まだどうなるのか不透明な部分は大きいと思います。

さて、環境派のバイデン氏が当選すれば、4年ぶりにパリ協定から離脱したアメリカの再加盟も現実味を帯びてきますね

世界はこのパリ協定(産業革命時と比べ2100年までの気温上昇を2℃以内、かつ1.5℃以内に抑える努力を実施)の達成向けて、欧州を皮切りに、中国、日本、韓国と続々と二酸化炭素(CO2)排出ネットゼロに向けて取り組むを発表しています。

下記の表は日経新聞から引用した各国の表明状況です。

この目標を達成するためには、2050年までに少なくても先進国のCO2排出を実質ゼロにする必要があるとされており、
ヨーロッパは、いち早く2050年CO2ネットゼロ(いわゆるカーボンニュートラル)の目標を発表しました。

これを受けて、中国が9月に2060年ネットゼロ、10月に日本の菅新首相が2050年ネットゼロを宣言した事は記憶に新しいところです。

欧州委員会の厳しい中間目標値は現実的か?

欧州委員会は、2050年ネットゼロへの道筋として、中間目標を当初から設定(EU全体のCO2排出量を90年比-40%)しており、この9月に、当初目標を更に引き上げ-55%とする計画を発表しました。

下記図は、その際欧州委員会が発表した、2050年までのロードマップのイメージ図となります。

赤線がいわゆるCO2のネット排出量の推移となりますが、2030年に-55%を達成し、2050年には森林吸収分やCO2の地中貯蔵(緑斜線部分)、そしてCO2回収・再利用技術(赤斜線部分)などを駆使し、ネットゼロを目指す絵姿となっている事が分かると思います。

ここでパッと見、2030年時点で一番削減幅が大きいのがPowerセクター(いわゆる電力分野)におけるCO2削減を大幅に実施するというものです。

火力発電など、化石燃料起源の発電から風力・太陽光発電をベースとした再生可能エネルギーの大幅拡充を掲げているのです。

巨額の予算を投じていく欧州の水素戦略(EU Hydrogen Strategy)とその裏にあるものとは?

また、注目されているのが、欧州における水素戦力です。

欧州委員会は、今年7月「欧州の気候中立に向けた水素戦略」を発表しました。

2050年までの気候中立(二酸化炭素の排出実質ゼロ)を目指す欧州グリーン・ディールの目玉の一つとして発表。(EUにおけるエネルギーシステム統合の核となる技術と位置づけ)

中長期的には、いわゆる、風力・太陽光などの再生可能エネルギーから得られた電気で水を分解して得られる水素をエネルギー源として備える事を明確に打ち出しいます。
自動車のみならず、産業・輸送・電力など広い範囲でクリーンな水素の利用を推し進めようという内容です。

その水素生産量の規模やそこに投じる予算規模も巨大です。

下記図は、その際欧州委員会が発表したロードマップですが、

2030年迄に40GW / 1,000万tもの水素を生成しエネルギー源とする事が描かれているのです。

日本は、現状発表されている計画では、2030年にわずか30万tですので、その差は歴然です。

また予算規模も、2030年までに電解槽関連で420億€(約5兆円)、電解槽と風力/太陽光発電設備の接続関連で3,400億€(約40兆円)もの予算を投じる計画です。

水素にかけるEUの狙いと戦略とは、一言でいえば、クリーンエネルギーにおけるグローバルリーダーシップを取る事に尽きると思いますが、

その裏には、EU域外の国、企業に対し(特にロシアや中国などに対抗するため)何らかの形で排除もしくは、参入し辛い環境を整備するような枠組みを持ち込んでくる可能性が非常に高く、今注目を集めているLCA手法(資源の採掘から生産、使用、廃棄までのトータルCO2管理手法)の導入を見据えた、したたかな戦略が見え隠れしてくるという事です。

水素と言えば日本というイメージもありますが、日本の水素戦略も待ったなしの状況です。
乗り遅れる事なく、官民一体となった推進が急務となっています。今後の動きに注目したいところです。

それではまた。
皆さま良い週末をお過ごしください。

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