Sustainable and Smart Mobility Strategy(持続可能なスマートモビリティ戦略)を発表
欧州委員会は9日、2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、運輸部門における包括的な脱炭素政策「Sustainable and Smart Mobility Strategy(持続可能なスマートモビリティ戦略)」を発表しました。
2050年のカーボンニュートラルについて、とりわけ運輸部門(道路交通、鉄道、航空、海運)においては温室効果ガスの90%削減が求められているところであるが、今回、2030年~2050年での各交通セクターによる重点政策が公表され、またそれに合わせ必要となってくる各法制度の改正タイムライン(2021年~2023年)も発表された。
端的に言えば、道路交通のゼロエミッション化をはじめ、人間の移動手段の在り方や貨物輸送のモーダルシフト化、各mobilityの自動化、デジタル化を通じたMobility間のシームレス接続を可能とし、交通事故死者ゼロを早期に達成するなど、今後のEUにおけるmobilityビジョンについて示されております。
注目すべきポイントは、やはり自動車セクターの取り組みおよび、今回、鉄道利用の大幅な拡大計画が盛り込まれています。
要点を以下にまとめます。
– 2030年までに
- ゼロエミッション車両(EVやFCV燃料電池自動車)を少なくても3000万台普及させる事(市場の約15%に相当)
- 8万台のゼロエミッションバスを普及
- 300万カ所のEV公共充電設備と1000カ所の水素ステーションを整備
- 高速鉄道網の倍増(現在の2倍の鉄道交通網を整備)
- 欧州大都市間500㎞未満の企画された団体旅行はカーボンニュートラルで実施
- Automated mobilityの拡充
- 交通事故死者ゼロ
– 2035年までに
- ゼロエミッション航空機の商用化
– 2050年までに
- ほぼ全ての乗用車、バス・トラックがゼロエミッション化
- 高速鉄道の3倍化、鉄道貨物輸送の2倍化
- 各mobility間の接続シームレス化
となっており、その他、重要テーマとして適正なカーボンプライス設定による低炭素化誘導や、燃料セクターにおいては低炭素燃料の普及実用化、エネルギー分野では再生可能エネルギーの拡充なども大きな柱として列挙されている状況です。
益々加速する欧州のGreen化。陸海空における全方位での包括的な対策により脱炭素化を推し進める意気込みですが、自動車CO2規制の見直し案は、来年6月までに発表される事になっており、特に影響の大きい自動車業界は大きな転換点を迎える事になります。
Sustainable and Smart Mobility Strategyのコンセプトビジョン映像(約1分の動画)はここから閲覧可能です。是非ご覧下さい。
それではこの辺で。
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