【重要】 欧州自動車産業で働く1500万人の雇用は今後どうなるのか?

Electrification

2020年はまさに、COVID-19の大打撃と共に自動車の電動化シフトが本格的に急加速し始めた年、言わば、“電動化シフト元年”とも10年後にはきっと言われている事でしょう。

EUにおける自動車関連労働人口は?

EUにおいて、自動車関連産業で働らく雇用者の人数を皆さんはご存知でしょうか?

【結論】:約1500万人にも達します!!

大手自動車メーカーから、部品サプライヤー、販売ディーラー、メンテナンス修理事業者、廃棄事業者まで、自動車のバリューチェーン合計で約1500万人と言われています。

業界が抱える重大な問題とは?

自動車業界は、今、COVID-19の危機による短期的な影響と、中・長期的な課題として、2050年のカーボンニュートラル達成に向けた、ゼロエミッション、デジタルモビリティへのシフトにより、大きな変革が求められています。

この大きなシフトは、自動車のバリューチェーンで現在雇用されている1500万人の労働者の生活に大きな混乱を既に与えている状況です。

今年春以降、コロナの影響による一時解雇労働時間制約を余儀なくされる労働者は、ここEUでは相当数発生しました。
また、今後の車両電動化がもたらす産業全体の雇用に対する影響は尋常ではありません。

すでに各自動車メーカーやサプライヤーでは大規模な人員削減を発表している状況です。

【資料】日経新聞記事より引用

この雇用を何とか維持・発展していくためにも、EUの自動車バリューチェーン全体が、競争力維持社会的責任を果たすため、労働者の技能向上、新スキルの習得化に対し、多額の投資を行う事が急務になっています。

またそれに加えて、車両の電動化に伴う新時代の仕事に適合した人材を呼び寄せ、採用していくというダブルの苦悩に直面しているのです。

巨額の資金を投じて職業技能アッププログラムを開始

欧州自動車産業界は、既にこれらバリューチェーン全体でタッグを組み、毎年5%の労働者(約70万人)に対する職業技能アップや新領域の技能習得を目指し、政府からの支援も呼び掛けつつプログラムを開始しています。

カーボンニュートラルや、車両電動化、グリーンモビリティ、バッテリー技術、電力、IT技術など、今後求められていく分野は多岐に渡っており、まさに各ステークホルダーがどのような教育プログラムが必要なのか、どのようなベストプラクティスがあるのかなど、業界、EU各国政府から持ち寄りシェアしつつ、相乗効果を生み、既存の雇用を維持したスムーズな電動化時代へのシフトを目指しているという事です。

教育訓練機関や地方自治体レベルの支援・連携も非常に大事になってくる課題。
日本においても必ず直面してくる課題です。そのためにも先行しているEUの動向が注目されます。

今日の記事をまとめます。

  • EUにおいて自動車関連の仕事に従事している人口は1500万人。
  • 急速な電動化シフトにより、既存労働者の新たな技能習得と新領域の新規人材確保が急務。
  • EUの自動車バリューチェーンは、一致団結し、雇用維持・技能習得プログラムを開始している。

それではまた。

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